松本 利昭/信長の女

信長の女つうことで、濃姫と吉乃に焦点をあてて、吉乃が死んだあたり(墨俣築城のとき)までの話です。濃姫が子を成さない原因が、婚前に通じていた光秀との子を流産してから石女(うまずめ)になったということになってたのは興味深かったが、話は信長が光秀と会う前に終わってしまう。そんなエピソード盛り込んだなら、光秀とのからみも読んでみたかったなぁと思った。

小牧城が出来てからは濃姫のことは一切触れずに吉乃に焦点が完全に移っていくが、吉乃は立て続けに3人の子(奇妙丸・茶筅丸・五徳)を産み産後の肥立ちが悪く、みるみる弱っていき亡くなってしまう。信長は、小牧城にいる間は日に一度は望楼にあがって、吉乃の墓のある方向を見つめ涙ぐんだというから、どれだけ吉乃を想っていたかがはかれる。私は前々から思ってるが、吉乃はいいときに亡くなったと思う。信長もこれからどんどん大変になってくし、子達も苦労する人生を送ってくから、気の優しい吉乃には堪え難い思いをしたに違いないし、死んだことによって信長の中に永遠に印象づけられてる気がする。

そして、小説の出来としては、濃姫や吉乃に焦点をあてて「信長の女」について書かれているということは分かるんだけど、短い中にけっこういろいろ(歴史上の出来事)盛り込んでるので、中途半端な出来になってる感は否めない感じ。女性視点なら徹底してやったほうが面白かったんじゃないかと思うな〜。

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